■研究室の概要
本研究室では、主にリモートセンシングの研究を行っています。リモートセンシングとは、衛星や航空機に搭載されたセンサで地球を観測し、そのデータ(主に画像)を解析して地球の環境などを調べる技術のことです。この分野は、最先端の衛星通信、画像処理、情報処理、データベース、ネットワーク、センサ技術等の上に成り立っています。地球観測衛星システムは宇宙空間を含む巨大で複合的な情報システムです。本研究室の学生たちは、リモートセンシングおよびその周辺技術の研究に取り組みながら、情報技術のプロフェッショナルを目指しています。
指導教官である長は情報技術センター、宇宙情報センターの研究員も兼務しており、研究はこれらのセンターの画像処理設備、衛星データ受信処理設備等も活用して進められます。
■主な研究テーマ
地球温暖化が懸念されています。地球が温暖化に向かった場合、その傾向は雪氷圏で顕著に現れることが予想され、雪氷圏は重要な観測対象となっています。環境が厳しい雪氷圏の観測には衛星観測が不可欠です。本研究室では、主にオホーツク海の海氷を対象とした衛星による海氷観測の研究を行っています。2012年にJAXAが打ち上げた水循環変動観測衛星GCOM-W1に搭載されている高性能マイクロ波放射計AMSR2は、海氷観測に適したセンサです。本研究室では、AMSR2データの利用を含め、最先端の海氷観測手法を研究しています。冬には毎年現地調査も行います。
熊本の宇宙情報センターで受信する各種衛星データの利用研究も精力的に行っています。受信系と連動した処理システムの開発では、衛星画像をネットワークで迅速にやりとりし、災害等の即時監視に役立てるシステムの研究が徐々に成果を上げています。この取り組みについては情報技術センターのQuick
Stationのホームページをご覧下さい。
近年のパソコンのマルチメディア環境の高度化に伴い、教育におけるコンピュータの役割は益々重要になって来ています。本研究室では、リモートセンシング等の教育用ディジタルコンテンツの開発に取り組んでいます。キーワードはedutaiment
(entertainment + education)です。下記の教材に是非、挑戦してみてください。
東海大学の総合研究機構の地球情報調査プロジェクトでは、日本各地に太陽放射、地磁気、地震等の観測機器を設置し、地球環境のモニタリングを行っています。本研究室では、こうした観測データのネットワーク配信や衛星データを使った環境モニタリングの研究にも取り組んでいます。上記プロジェクトで作成した地球環境教育用のディジタルコンテンツも是非、試してみて下さい。
■卒業研究
卒業研究では、上記の研究テーマを中心に学生の希望を聞きながら具体的な卒研テーマを決定します。卒研ゼミは原則、週1回開催します。卒研ゼミでは、毎回、各学生に研究の進捗状況を報告していもらい、それについて皆で議論します。プレゼンテーション練習もします。レポートの記述もh指導します。自分の問題意識、研究上の課題、調査事項をきちんと文章にすることで論理的思考が身に付きます。卒研生には、卒業研究を通して、情報社会で通用するタフネスを身に付けて欲しいと思っています。
■研究発表
研究の進捗状況に応じて、学生には積極的に学会発表等の機会を与えています。やる気を出せば、春から卒研に取り組んで、秋には学会発表にまでこぎつけてしまうことも可能です。また、年度末には学科として卒業研究発表会を開催します。
<学生の主な受賞歴>
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リモートセンシングの国際シンポジウムで優秀論文賞受賞(2008.11)
2008年11月に韓国で開催されたリモートセンシング国際シンポジウム(ISRS)において、本研究室所属の矢口龍太君(当時:工学研究科光工学専攻2年)が、学生優秀論文賞を受賞しました。おめでとう!
2009年11月に北京で開催された第30回アジアリモートセンシング会議(ACRS)で、本研究室の栃木佑太君(当時:工学研究科宇宙工学専攻2年)が、学生優秀論文賞受賞を受賞しました。
■指導学生の主な就職先
アジア航測、パスコ、日立、富士通、(財)リモート・センシング技術センター、三菱電機、三菱スペースソフトウエア、旺文社、警視庁科学捜査研究所その他(順不同)
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